きものの文様(もんよう)の話 「薬玉」「花車」の柄
薬玉文【くすだまもん】
「くすだま」といえばお祝い事の席でひもを引いて割り、
中から紙吹雪や垂れ幕が出てくるものを思い浮かべますが、
元は薬草、香草、香料を錦の袋に詰めて、造花などで飾り付けし、
五色の糸でたらした入れ物で延命長寿、無病息災の願いを込めて
端午の節句などに飾った中国の風習をまねたものでした。
現在ではその風習はないようです。
よもぎや菖蒲や沢山の花で飾り付けた薬玉を文様化したのが、薬玉文です。
女児の祝い着や振り袖、に多く用いられています。
振袖
https://kimono-pro.com/furisode/k-29.html
https://kimono-pro.com/furisode/k-21.html
https://kimono-pro.com/furisode/f-59.html
袴と着物
https://kimono-pro.com/hakama/FU-9.html
花車文【はなぐるまもん】
花車文というのは花で飾った御所車や、いろいろな花を盛った籠を積んだ車を表したものや、
車輪だけを意匠化して花々をあしらったものもあります。
華麗な古典柄として、振り袖や留め袖、帯にも沢山見受けられます。
黒留袖
https://kimono-pro.com/tomesode/list/1804.html
花車や孔雀を若々しさと華やかさを表現した黒留袖です。
https://kimono-pro.com/tomesode/list/23-301.html
優しく上品な熨斗に花車の柄が特徴
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絽の黒留袖
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https://kimono-pro.com/tomesode/list/t-455.html
●今は目にすることのない薬玉や花車ですが、
美しい花々を贅沢に意匠化して、
華麗で豪華な様は振り袖や留め袖にはなくてはならない文様ですね。
花嫁さんの打ち掛でも見かけました。。